データローミングとはどのようなサービスか、ご存知でしょうか?
海外旅行の前などに設定して利用するサービスなのですが、具体的にどのようなものかを知っている人は意外と少ないのです。
しかし、知らないまま利用してしまうと、大変なことになりかねません。
データローミングとは何か、そして海外で利用するべきサービスは何かを解説します。
1.データローミングとは?
まずは、データローミングとはどのようなサービスなのか、解説します。
これは、海外に行った際にその現地の通信事業者のネットワークを通じて、日本の携帯電話会社の通信網と通信できるようにするサービスです。
日本には、docomo、au、ソフトバンク、楽天といった通信事業者があります。
それぞれ、独自で通信網を構築しているのですが、それはあくまでも日本国内に限ったものです。
海外に行くと、原則としてそれらの通信事業者の通信網がないので、直接接続することはできません。
そこで、日本の通信事業者と提携している現地の通信事業者の回線を利用して、データ通信ができるようにしているのです。
通常、スマートフォンは契約している通信事業者の通信網にしか接続できません。
しかし、データローミングをオンにすることで、海外の通信事業者の通信網にも接続できるようになります。
そうすることで、日本で契約したスマートフォンをそのまま海外でも使用できるようになるのです。
1-1.データローミングがONのときに利用できる機能
海外でデータローミングをONにしておくと、次のような機能が利用できます。
- ・インターネットへの接続
- ・地図アプリ
- ・メールアプリ
- ・SNSアプリなど
データローミングは、海外でインターネットを接続するうえで必要な仕組みです。モバイルルーターや海外SIMに接続できない状況下で、インターネットを利用するためにはONにする必要があります。
最近はインターネットに接続して利用するのが前提となっているアプリも多数あります。地図やメール、SNSなどはその代表例です。これらアプリを海外で利用するときにも、モバイルルーターや海外SIMを用意するか、データローミングをONにする必要があります。
1-2.データローミングがOFFのときに利用できる機能
データローミングをOFFにしても、海外で利用できる機能の代表例は次の通りです。
- ・電話
- ・SMS
これらの機能はデータ通信を必要としないため、日本国内・海外ともにローミングOFFでも利用可能です。
なお、一般的に海外では、電話・SMSを使用するときに「音声通話ローミング」という仕組みを利用します。料金体系や仕組みが日本とは異なるので注意しましょう。たとえば、日本では着信には通話料がかかりませんが、国によっては発信・着信双方で通話料を徴収されます。
2.データローミングの落とし穴?高額請求を未然に防ごう
海外でもそのままスマートフォンが使えるようになるデータローミングは、一見非常に便利なように思えるでしょう。
しかし、実はそこに落とし穴があるのです。
それは、データ通信量です。
現在のスマートフォンの場合、通信料金は定額もしくは段階的定額のプランが多いため、あまりデータ使用料を気にしていない人も多いでしょう。
ところが、データローミングを使用した場合は、国内で使用しているデータ通信料金とは別の計算となります。
そのため、いくら国内で定額プランに加入していても、海外での使用分はそれとは別に計算されるのです。
データローミングについては、それぞれ別に定額プランが用意されています。
使い放題プランの場合、段階的定額を用意していることが多く、最大でも1日あたり2,980円等の料金になっています。
また、追加料金を支払うことで国内のプランのデータ量から差し引くものもあります。
2-1.【iPhone編】データローミングの落とし穴を未然に防ぐ方法
データローミング機能は初期設定では基本的にONになっています。
データローミング機能の確認やプランの加入をしないまま海外に行き、データ通信を利用してしまうと、高額なデータ通信料を支払わなければいけなくなってしまいます。
海外に行く際には定額プランに入るなどの準備を行うか、端末の設定からデータローミング機能をしっかりOFFにしていきましょう。
データローミング機能をOFFにしたい場合、iPhoneでは、
- 『設定』を開き、『モバイル通信』の項目をタップする
- 『通信オプション』の項目をタップする
- 『データローミング』のON・OFFマークをOFFの方(ボタンが白色になった状態)に切り替える
だけで、簡単にOFFにすることができます。
出発前にきちんと確認して、高額請求を未然に防いでおきましょう。
また、モバイルデータ通信の項目ごとOFFにすることで自動的にデータローミング機能もOFFにする、というやり方もあります。
設定や、画面上部をスワイプすると出てくるコントロールセンターのアンテナマークからモバイルデータ通信を切ってしまうのも、簡単にできる方法ですね。
2-2.【Android編】データローミングの落とし穴を未然に防ぐ方法
つづいては、Android端末でデータローミング機能をOFFにするやり方です。
- 『設定』を開き、『接続』の項目をタップする
- 『モバイルネットワーク』の項目をタップする
- 『ローミング設定』の項目をタップする
- 『データローミング』と、『データ通信を有効にする』のボタンを両方OFFの方(ボタンが白色になった状態)に切り替える
上記の方法で、Android端末でも同じように設定からON・OFFを簡単に切り替えることが可能です。
分かりにくい場合は設定ページの上部の虫眼鏡マークから検索も行えます。検索欄に「ローミング」と入力すれば、そのままローミング設定まで移動することができます。
また、これはiPhoneでも同様なのですが、海外に行きキャリアの圏外に出てしまう前に『機内モード』をONにしてしまえば、自動的にデータ通信とデータローミング機能がOFFになります。
機内モードではデータ通信だけでなく音声通話やSMSなどの機能も使えなくなってしまうというデメリットはありますが、WiFiを個別にONにすることでデータ通信を切ったままWiFiのみを利用することも可能なので、海外でもフリーWiFiなどのWiFiだけを使用して、高額な通信費の発生に対処しながらスマートフォンを利用することもできます。
2-3.事前の申し込み必須
しかし、こういったプランは全て、事前の申し込みが必要です。
決して、自動的に適用されるものではありません。
そして、定額プランに申し込まなかった場合は従量課金制となってしまうのです。
そうなると、1パケットあたり0.2円かかります。
8パケットで1KBとなり、その場合は1.6円です。
1MB使用すると、1600円かかってしまいます。
1MBは、写真1枚表示するだけでもそのくらいのデータ量となることもあります。
国内の定額プランは10GB、20GBというものも多いため、国内で使用する時と同じように使用していてはあっという間に1GBを超えるでしょう。
そうなると、従量課金制では160万円にもなります。
その為、海外でデータローミングを使用するのであれば、必ず定額プランにも加入するべきなのです。
それを忘れてしまうと、思わぬ高額請求に苦しむこととなるでしょう。
ちなみに、海外からショートメッセージを送信した場合、1通につき100円かかります。
これには、データローミングの申込は必要ありません。
受診に関しては、海外でも無料です。