アメリカ合衆国にある50の州をそれぞれ紹介するアメリカ50州大解剖シリーズ。今回はノースダコタ州を紹介します。
ノースダコタ州について
州都:ビスマーク
地域:中西部
最大都市:ファーゴ
人口:779,094人(2020年)
愛称:Peace Garden State
ノースダコタ州の地理
北側はカナダのマニトバとサスカチュワン州に接し、東はミネソタ州、南はサウスダコタ州、西はモンタナ州に接している。
ノースダコタ州の西側半分は広大な丘陵地帯のグレートプレーンズと呼ばれるエリアの中にあり、地下資源が豊富と言われる。
州内にはセオドア・ルーズベルト国立公園があるが、この地域はバッドランズと呼ばれ、6500万年かけて水と風の浸食で形成された地形となっている。
州内のほとんどのエリアは長い間地殻変動はなかったものの、風雨による浸食、氷河により削り取られたり堆積物が残ったりさまざまな地形があり、地球の歴史を感じることができる。
ノースダコタ州の気候
ノースダコタは一年を通して乾燥することが少なく、空気が綺麗なことでも有名。
全体的に夏は暑くならず、冬は非常に寒く極寒となる。12、1、2月は最高気温も氷点下以上にならない日々が続く。
夏場は30度を超えることは稀。春先には洪水になる地域もある。
ノースダコタ州の人口構成
約90%が白人、約5%がネイティブ・アメリカン、黒人、アジア人はそれぞれ約1%となっている。
ノースダコタは50州のうち、人口は少ない方から4番めではあるが、最近は増加傾向にある。人口が増加している地域は石油が掘れる州の北西部だけにとどまっている。
逆に若者層は減少傾向が続いているが、理由は長らく農業が中心だったために州内に大学を卒業した者がその専攻を活かして働ける環境が州内に不足しているためと言われている。
ノースダコタ州の州都ビスマーク
州都ビスマークはミズーリ川の隣にある都市。1804年にクラーク探検隊が川を北上し発見した土地。美しいミズーリ川の景色は街のいろいろなところで見ることができる。
観光施設としてはノースダコタ・ヘリテージセンター、ダコタ動物園、フォート・エイブラハム・リンカーン州立公園、マクドウェルダム公園などがある。自然が豊かなビスマークでは、暖かい季節はボート、カヌー、カヤックなどの水のレジャーをのんびり楽しむこともできる。
毎年9月に開催されるネイティブ・アメリカンの祭典、ユナイテッド・トライブス・インターナショナル・パウワウでは米国とカナダの両国から多くのネイティブの部族が集まり、先住民の文化を体験することができる。
ノースダコタ州の名所あれこれ
アメリカ第26代大統領の名前が付けられた、セオドア・ルーズベルト国立公園ではスケールの大きな荒涼とした岩の風景を拝むことができる。
ノースダコタ州の都市ファーゴはコーエン兄弟の映画「ファーゴ」でも知られる地名だが、映画はほとんどミネソタ州のミネアポリスが舞台。しかし、劇内で登場した例の粉砕機はムーアヘッド・ビジターセンターに展示されている。また、このセンターの中には100人以上のセレブの手形を集めた展示がある。
この映画のおかげで一躍有名になったファーゴでは「ウッドチップ」にちなんだユーモラスな命名のご当地グルメがいくつも売られている。
また、ファーゴはノルウェーなど北欧から大きな影響を受けている。バイキングの船「ヘムコムスト」のレプリカが展示されていたり、バイキングフェスティバルが開催されることでも有名な土地。ファーゴにはその他にも航空博物館、プレインズ美術館、ロジャー・マリス博物館などがある。またボナンザビル歴史村などがある。
ノースダコタ州はじめ、周辺のモンタナ州、ワイオミング州などでは現在野生のバッファローを保護する取り組みが行われている。かつては沢山いた野生のバッファローはアメリカ政府のネイティブ・アメリカンを意図的に貧窮させる政策により大量に殺され、19世紀に一度絶滅してしまった。
バッファローを糧としていたネイティブ・アメリカンは食料や道具を作る材料を失い、生活の変化を余儀なくされた。バッファローは19世紀末にはわずか千頭未満だったが、現在は50万頭以上が確認されている。オバマ大統領の就任中に米国政府による保護活動が積極的に行われ、ネイティブ・アメリカンの土地へ戻す取り組みが行われている。
まとめ
アメリカ合衆国にある50州の中から、今回はノースダコタ州をご紹介しました。
アメリカの州一覧と各州の特徴はこちらの記事で解説していますので、各州の特徴をまとめて読みたいという方はぜひご覧になってください。