アメリカ合衆国にある50の州をそれぞれ紹介するアメリカ50州大解剖シリーズ。今回はニューハンプシャー州を紹介します。
ニューハンプシャー州について
1. ニューハンプシャー州の地理
2. ニューハンプシャー州の気候
3. ニューハンプシャー州の人口構成
4. ニューハンプシャー州の州都コンコード
5. ニューハンプシャー州の名所
ニューハンプシャー州について
州都:コンコード
地域:東部
最大都市:マンチェスター
人口:1,377,529人(2020年)
愛称:The Granite State
ニューハンプシャー州の地理
ニューハンプシャーはアメリカが最初に独立した「独立13州」のうちの一つで、ニューイングランド地方にある。ニューイングランド地方とはニューハンプシャー、メイン、マサチューセッツ、ロードアイランド、そしてコネチカット州のことを指す。
ニューハンプシャーは東はメイン州、南はマサチューセッツ州、西はバーモント州に接し、北部はカナダのケベック州、南側の約30キロメートルは大西洋に接している。ちなみに、この海岸線は米国50州の中では最も短い。
州の北半分は山地となっており、南半分には湖、そして森林が広がる。州内の地層には花崗岩が多くあり、州のニックネームになっている。
ニューハンプシャー州の気候
海に近いため夏は湿度が高めで、冬は寒く州の全域で降雪がある。山岳部ではなんと2メートルを超える積雪が記録される年もある。
特にワシントン山はアメリカ東部でいちばん高い標高であり、強風で知られる。この山頂で観測されるデータは度々世界最悪レベルということで有名。最近では2023年の2月にアメリカ史上最低の体感気温となるマイナス77度を観測した。
ニューハンプシャー州の人口構成
白人約94%、アジア人約2%、黒人約1%となっている。50州の中で白人が3番目に多い。
白人の内訳はフランス系およびフランス系カナダ人が約25%、その次にアイルランド系が約20%と続いている。かつてフランス系カナダ人とアイルランド系が労働者としてこの地域に多く移住して定住したためで、その子孫が多く今も住んでいる。この傾向は他にメイン州でも見られる。
ニューハンプシャー州の州都コンコード
州都コンコードには面白い過去がある。18世紀初頭にイギリスからの入植者がこの地に街を作り、ペナクックと名前をつけたが、すぐにラムフォードという名前に変更された。さらに30年後、現在のコンコードという名前に落ち着いた。
元々は印刷業が主力産業だったがすぐに花崗岩の採掘がその座を奪った。19世紀の終わりまでには鉄道と修理業が主力産業となり、現在では製造業、保険業、そして農業などが州の経済を支えている。
観光名所ではニューハンプシャー州会議事堂、歴史博物館、クリスタ・マコーリフ・プラネタリウムなどが有名。その他、マカルフィー・シェパード・ディスカバリーセンターなども見所。
ニューハンプシャー州の名所あれこれ
先述したホワイト山脈の中にあるワシントン山は、米国の北東部の中では最高峰とされ、標高は1917メートルある。暖かい季節にはガイドツアーなども開催され、トレッキングなどが楽しめる。ホワイトウォーター川ではラフティングも開催されている。
また、歴史の教科書で一度は聞いたことがある名前のポーツマスには、合衆国初の海軍の造船所がある。小さな町だが、20世紀初頭にポーツマス条約(日露講和条約)が結ばれた土地である。
マンチェスターには美術館・博物館が多数ある。キュリア美術館にはワイエス、ピカソなど錚々たるアーティストの作品が並ぶ。パレスシアター、ニューハンプシャー美術館、SEEサイエンスシアター、マンチェスター紡績工場博物館など、歴史と文化が学べる施設が豊富。
ニューハンプシャー州全体はメープルシロップの産地としても名高い。メープルツリーから採集された樹液を煮詰めたメープルシロップはぜひお土産に。
さらに、りんごの収穫時期にはアップルサイダーという生搾りジュースも名産品として有名。サイダーと言われると炭酸の飲み物かと思ってしまうが、この場合は加工をしていないリンゴジュースという意味で呼ばれている。アップルサイダーは季節の飲み物で温めて飲んだりもする。ニューハンプシャーはもちろん、他州でもりんごの生産地では濾過や低温殺菌もしていない昔ながらのスタイルで売られている場合もある。秋口から米国全土のスーパーで売られるアップルサイダーは、無添加であっても長期保存が可能なように処理がされている。本物の味を試したい場合は果樹園や農場など、生産地に行くのがおすすめ。
まとめ
アメリカ合衆国にある50州の中から、今回はニューハンプシャー州をご紹介しました。
アメリカの州一覧と各州の特徴はこちらの記事で解説していますので、各州の特徴をまとめて読みたいという方はぜひご覧になってください。