アメリカ合衆国にある50の州をそれぞれ紹介するアメリカ50州大解剖シリーズ。今回はオハイオ州を紹介します。
オハイオ州について
州都:コロンバス
地域:中西部
最大都市:コロンバス
人口:11,799,448人(2020年)
愛称:Buckeye State
オハイオ州の地理
オハイオ州はアメリカの中西部にあり、北は五大湖のミシガン湖とエリー湖に面し、西はインディアナ州、東はペンシルベニア州、南はケンタッキー州およびウェストバージニア州に接している。地理的にアメリカ全体の中では北寄りにあるのだが、州の南部は文化的には「南部」、北の方は異なる雰囲気が印象的。
大統領選の時などはこの文化的背景があることで Swing State(民主か共和かほぼ半々で最後まで州全体の行方が分かりづらい)と呼ばれ、候補者からはキャンペーンの要として、選挙の結果の中継では国民全体が最後まで行方を注目する州の一つである。
氷河が南に移動した際に土地を平らに削っていったため、オハイオ州は全体的に平坦で、高速道路はじめ輸送網が発達し、農業からテックまで幅広い産業が盛ん。
オハイオ州の気候
夏は暑く、湿度も高めで、冬は寒く北部に行くほど降雪も多い。夏の暑さは日本の関東と似ている。冬の寒さは東北地方と類似している。
自然災害は近隣の他の州と比べると竜巻の発生も少なく、夏極端に暑くなることも、冬の降雪量や寒さも穏やかな方ではある。エリー湖沿いの冬の降雪量は多い傾向にある。
オハイオ州の人口構成
2020年の国勢調査では約80%が白人、12%が黒人、3%がヒスパニック、約2%がアジア人であった。オハイオ州の大半は元々ドイツ系の移民が主に東から移動してきて定住した地域である。
主要なカレッジタウンを中心に、国際色は感じられるのだが、ほとんどの地域ではダイバーシティはそんなに感じられない。地域によって宗教観・政治観・教育がくっきりと分かれることも稀ではない。
こういうところに中西部の特徴が表れているが、アメリカ全体で見ると西と東海岸沿いの大都市の文化が例外的であり、米国の中でもオハイオ州は最もアメリカらしく、さまざまな場面でアメリカの現在が滲み出ていると言える。
オハイオ州の州都
オハイオ州の州都はコロンバス。コンパクトにまとまった都市で、小さいながらも観光やグルメスポットが詰まっている。
ドイツからの移住者が作ったコミュニティであるジャーマンビレッジや、全米最大かつ名門のオハイオ州立大学、コロンバス動物園、水族館も必見のスポット。物価は全米の平均値に近いため観光客のお財布にも優しい。
オハイオ州の名所あれこれ
長くの間アメリカの輸送の要、そして農業やさまざまな産業で栄えてきたオハイオ州。ビルが立ち並ぶ都市部でもあくせくした雰囲気はあまりなく、のんびりした印象を感じるかもしれない。
南北戦争の時代にはオハイオ南部は黒人奴隷廃止運動の拠点となり、奴隷反対派・賛成派が激しくぶつかる土地でもあった。奴隷解放宣言後は南部の奴隷たちが自由を求めてオハイオ川を渡り、新たな生活を始めた歴史もある。
シンシナティではその頃の逃亡奴隷を逃す活動の要であったことからNational Underground Railroad Freedom Centerなど、アメリカの隠された歴史を学びたい人が絶対訪れるべきスポットがある。
まとめ
アメリカ合衆国にある50州の中から、今回はオハイオ州をご紹介しました。
アメリカの州一覧と各州の特徴はこちらの記事で解説していますので、各州の特徴をまとめて読みたいという方はぜひご覧になってください。