こんにちは!ハナセルです。この記事ではアメリカでの新型コロナの安全対策について、2021年9月時点での状況をお伝えします。
米国在住の筆者が、職場・学校・お店・レストランの様子や、マスクやハンドサニタイザーはどこで買えるのかを中心にまとめます。これから移住や留学でアメリカを訪れる際、米国での安全対策や状況はどうなっているのか知りたい方のご参考に!
もくじ
1. 2020年3月からのアメリカの新型コロナ対策について
1-1. アメリカで実施されたコロナ給付金
1-2. 在宅勤務の普及
1-3. リモート学級の徹底
2. アメリカのコロナ対策の現状は?
2-1. 州や地域で状況が大きく異なるアメリカのコロナ対策
2-2. 企業・オーナーによって独自のルールがある場合も
3. アメリカでマスクや消毒用アルコールは買える?
3-1. アメリカ人はマスクが大嫌い?
3-2. ハンドサニタイザー・消毒液は手に入りやすい?
1. 2020年3月からのアメリカの新型コロナ対策について
2020年3月に始まったパンデミックですが、米国では3月中旬にエッセンシャルワーカー以外は不必要な外出を控えるよう命令が出ました。
このため、政府・学校・レストラン、娯楽など、ありとあらゆる機関やサービス、商業がクローズとなり、様々な対策が取られました。
1-1. アメリカで実施されたコロナ給付金
人々の多くが失業したり、自宅待機を余儀なくされることとなったため、政府から合計3回の給付金が年収約800万円以下の前年度に納税の記録があるものに対し送金されました。
そして新型コロナの影響を理由に失業した人には、手厚い失業保険も給付されました。コロナの給付金は2019年度のタックスリターン(確定申告)をしていない人は受け取ることができませんが、コロナが原因で減給や職を失った場合は通常の失業保険に加え、毎週600ドル加算されるという未曾有の骨太な対応でした。これには多くの人が感謝し、安心して生活を送ることができました。
1-2. 在宅勤務の普及
自宅待機の長期化に伴い、多くの企業・業種ではWork From Home (WFH:在宅勤務)が推進され、自宅からパソコンを使って仕事をする動きが広がりました。
2020年3月から多くの人が職を失うも、企業側にWFHの準備が整い出した2020年9月ごろから急速にWFH向け求人も増え始め、経済も勢いをつけて前進し始めました。
1-3. リモート学級の徹底
公立学校は2020年3月からリモートが中心で授業が行われ、極力従来の対面式の学級が削減されました。公立学校の生徒には一人一台のノートパソコンが貸与され、さらに経済的状況を理由にインターネットに接続できない家庭がないように、無料のWiFiホットスポットの貸し出しもされるケースも多くありました。
また大学の留学生は至急母国に帰国させられたりと徹底した措置がとられました。渡航費用は学生負担にならなかった大学も多いようです。
2020年11月ごろからは徐々に学校の規制が緩み、公立学校もリモートの他に通常の対面方式も選択できるようになった地域もありました。また、1学年が終わる2021年の6月までリモートの学校も多くありました。
2021年度は公立学校ではリモートの選択は廃止され、マスク着用やソーシャルディスタンスの徹底を実行しながら、対面での授業がスタートしました。12歳以上の人からワクチンが打てるようになったので、大学はワクチン接種義務のところも多数あります。
2. アメリカのコロナ対策の現状は?
アメリカは広く、州によって人口密度、都市の大きさ、そして人々の考え方、生活スタイルが大きく異なります。感染状況、マスクやワクチン接種率に関しては、一概に「アメリカではこうである」と断定し難いです。
というのも、州、カウンティ(群)、市町村といった政府と自治体のコロナに対するスタンスが政治色と関連してしまっているケースが多いことや、個人商店・レストランも、州の規制のレベルによるところが大きいです。
日本からアメリカに留学・引越しされる際は、滞在先の情報をよく確認することを強くお勧めします。
2-1. 州や地域で状況が大きく異なるアメリカのコロナ対策
特に南部や中西部では、反マスク・反ワクチンの考え方も多く、州知事がマスク着用に関して否定的な地域もあります。中にはワクチン接種率が50%前後の州もあります。
ただ、このような州でも、大都市部ではワクチン接種率が高かったり、マスク着用のルールが厳しめのお店などもあり、一概に「この州はどうである」と断言がしづらい状況です。西海岸、東海岸の大都市部は人口過密なこともあり、2020年春の感染状況は特に酷く、急速に感染爆発が起きました。
新型コロナの脅威・死者増加をアメリカで最も早く体験したニューヨーク州をはじめとする東海岸の都市部では、危機感が高まりました。マスク着用の義務やワクチン接種率も高く、2021年9月現在は新規感染者の数は上がってはいるものの、死者の割合は少なく、結果としてコントロールできている状態です。
2-2. 企業・オーナーによって独自のルールがある場合も
また、政府がマスク着用やソーシャルディスタンスに厳しめのルールを設けていても、個人商店やレストランでは「マスクをする必要はない」と掲げてある場合もあり、またその逆もあります。
アメリカでは、その憲法によって個人の自由や権利が強く保証されているので、「強制」しづらい、できない、という背景も強く影響しています。
3. アメリカでマスクや消毒用アルコールは買える?
2020年3月からの数ヶ月間は家庭向けマスク、消毒液は品薄でしたが、現在(2021年9月)はマスクも消毒液もたくさん売られていて困らない状況です。
米国内ではマスク、ハンドサニタイザー、消毒液はスーパーやドラッグストアなどで豊富に売られています。
3-1. アメリカ人はマスクが大嫌い?
アメリカではもともと公共の場でマスクをするという習慣がありませんでした。マスクといえば、医療従事者が手術の際にするか、とても重症な患者さんのみが着けるという感じ。
花粉の時期でも、インフルエンザが流行っている時期でも、通常はマスクをするという人はとても少なく、街を歩いていても、ほぼ皆無でした。また、コロナ以前はマスクが人目のつきやすい陳列で売られていることはありませんでした。
通常時は風邪で咳やくしゃみが出るときは休むか、肘で押さえるのがマナーとされ、手洗いうがいも日本と比べると言われることが少ないです。そんな文化が根強いので、今回のパンデミックでマスク着用の必要性が高まっても、受け入れられない人も多く、マスクが強制される場でも、時には個人の自由に重きを置き、着用を拒む人がいるのが現状です。
日本では季節を問わずマスクをしている人を見かけても、自分がしていたとしても抵抗はないと思いますが、アメリカではそのような文化がなかったため、心理的にもかなり「マスク着用の義務」はハードルが高い人がいる、そのため公共マナーとしてのマスク着用の徹底が共通意識に至るには難しいようです。
3-2. ハンドサニタイザー・消毒液は手に入りやすい?
ハンドサニタイザーや塩素系の薬剤は、2020年夏ごろまでは生産が追いつかず、それまでよりも高めの値段でしたが、現在はセールとなっているケースも多く見られます。
ワイプの不織布の工場(中国)の生産が追いついていないようなので、大量に消毒液を作ってペーパータオルなどで拭いたりしている場所も多くあります。
病院、学校、レストラン、公共の施設では消毒液をスプレーしてテーブルや椅子などを丁寧に掃除します。しかしながら、自己責任の考え方も強いアメリカです。
建物の出入り口に公共のハンドサニタイザーやワイプを置いていない・切らせている場合も多いので、お出かけの際には車やバッグの中に必ず携帯用のアルコール除菌ジェルや消毒用ワイプを持ち歩く必要があります。
まとめ
以上、アメリカにおける新型コロナの安全対策・マスクやハンドサニタイザーの供給についてでした。
今後状況によっては変わるかと思いますが、1年でいろいろ復活して来ているアメリカはとても骨太でたくましいと感じています。